一度も返済していない債権者がいるのですが、自己破産できますか？

支払いをすることが難しく、返済できる見通しもない状態で、氏名・収入・借入額などを偽って借入れを行った場合、免責不許可事由に該当します。

免責不許可事由に該当する場合、自己破産により借金の支払い義務の免除が認められない可能性がありますが、そこまで悪質でなければ裁判所の裁量で免責許可が出る場合もあります。

債権者へ一度も返済していない場合、返済できる見通しもなく（あるいは、返済をするつもりもなく）借入れを行ったと評価される可能性があります。

借入れをする際には、将来的に返済をするという意思表示も含まれているはずですので、返済できる見通しもなく（あるいは、返済をするつもりもなく）借入れを行ったと評価された場合、債権者側から、詐欺による借入れであると主張される可能性があります。

その場合、一度も返済していない債権者に対しては、不法行為による損害賠償債務が発生し得るのですが、それが悪意によって加えられたものであると判断された場合、非免責債権として、自己破産をしても支払い義務が免除されない可能性があります。

もっとも、ここでいう「悪意」は、積極的に債権者に対して害を加えようとする意思を意味すると解されています。