高次脳機能障害の等級認定における検査に関するQ&A
高次脳機能障害の等級認定ではどのような検査がされるのですか?
⑴ 画像検査
高次脳機能障害では、頭部外傷による脳損傷があるか否かを確認するため、CTやMRIといった医療機器を用いて、脳の画像を撮影し、脳内出血や脳の萎縮といった異常を読み取る検査が行われます。
⑵ 日常生活状況の調査
高次脳機能障害の認定手続きに際しては、医師の判断だけではなく、被害者と近しい人の意見も重要視されます。
そのため、被害者の家族や介護者のように、被害者と接する機会が多い方に被害者の行動等を観察していただき、日常生活状況報告書に記録することになります。
⑶ 神経心理学的検査
高次脳機能障害では、認知障害、行動障害、人格変化等の症状が出るところ、上記のような症状を客観的に測定するため、神経心理学的な検査が行われます。
神経心理学的検査では、知能テストや言語機能のテスト、記憶検査といった様々な検査が行われます。
高次脳機能障害の等級にはどのようなものがありますか?
高次脳機能障害は、その程度によって症状は様々です。
自賠責保険では、「神経系統の機能又は精神の障害」として、症状に応じて第1級、2級、3級、5級、7級、9級が定められており、高次脳機能障害が認定された場合には、いずれかの等級に分類されることになります。
第1級は、高度の痴呆のため、全面的な介護を要すると判断された場合に認定されます。
第2級は、被害者が一人で外出できず、生活範囲が自宅内に限られており、日常生活のうえで随時介護を要すると判断された場合に認定されます。
第3級は、外出や日常生活を行えるものの、記憶力や注意力、学習能力等に著しい障害があり、一般就労が全くできないか、困難であると判断された場合に認定されます。
第5級は、単純作業であれば一般就労もできるものの、学習能力や新環境への適応に支障があり、就労の維持に職場の理解と援助を欠かすことができないと判断された場合に認定されます。
第7級は、一般就労は維持できるものの、作業の手際が悪かったり、ミスが頻発したりするなど、一般人と同等の作業を行うことができないと判断された場合に認定されます。
第9級は、一般就労は維持できるものの、作業効率や作業能力などに問題があると判断された場合に認定されます。
高次脳機能障害の等級認定は、上記のように必要な検査や等級の認定要件が複雑なものとなっております。
高次脳機能障害の等級認定でお困りでしたら弁護士に相談することをお勧めいたします。
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