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労災指定病院を利用するメリット

  • 文責:所長 弁護士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年10月4日

1 労災によるケガや病気の治療

例えば、業務で使用している機器でケガをしてしまったり、勤務先に向かっている最中に事故に遭ったりするなど、労働者が、仕事や通勤の際にケガをしたり病気になったりする場合があります。

そのようなときは、労災として、病院で治療を受けたり、療養にかかった費用を支給されたりする可能性があります。

このうち病院での治療については、労災指定病院等の労災指定医療機関であれば、病院で現物(治療そのもの)の支給を受ける、つまり、病院で費用を払わずに治療を受けることができます。

また、労災指定医療機関での治療でなくても、治療費を立て替えたあと、労働基準監督署に必要な書類等とともに申請をして認められれば、治療費の返還を受けることができます。

2 労災指定の医療機関の探し方

労災指定医療機関は、申請に基づいて都道府県労働局の審査を受け、労災保険から指定を受けた医療機関です。

労働者は、労災保険法で定められた範囲の療養(補償)給付の現物給付を受けること、つまり労働者が医療機関から直接医療行為を受けることができます。

費用を立て替える手間もかからないことから、労災指定病院等で労災による傷病の治療をしたいと思う方も多いかと思います。

とはいえ、どの病院が労災指定病院かを把握している方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。

労災指定の医療機関の情報は、厚生労働省のホームページから検索して見つけることができます。

参考リンク:厚生労働省・労災保険指定医療機関検索

また、厚生労働省所轄の独立行政法人労働省健康安全機構のホームページからも、独立行政法人労働者健康福祉機構が運営する労災指定医療機関などを検索することができます。

参考リンク:独立行政法人労働者健康安全機構・労災病院

労災のケガ等で治療が必要になった場合には、まずはこれらのホームページから地域の労災指定医療機関を探すのがよいかと思います。

治療を始めた後についても、必要に応じて別の労災指定の医療機関に転院することも可能です。

3 労災指定病院を利用するメリット

先ほど説明したとおり、労働者は、労災病院や労災指定の医療機関であれば、原則、無償で治療を受けることができます。

労災指定の医療機関以外で治療を受けた場合でも、労働者自身が治療費を立て替えて支払い、あとから治療費の請求をすることによって労災保険から治療費が支給されますが、健康保険などが使えない以上はいったん労働者が治療費を100%立て替える必要があります。

労災保険の給付により、労働者は休んだ分の給料について休業(補償)給付を受けたり、治療費について療養(補償)給付を受けたりすることができますが、労働基準監督署から給付金を受け取るまで時間がかかることが大半です。

労災指定病院を利用すれば、治療費を立て替えることなく治療を受けることができますので、手元にお金のない状態でも安心してきちんとした治療を続けることができます。

4 労災指定病院での手続き

労災で治療を受ける際には、業務災害(仕事中の傷病)であれば、「療養補償給付たる療養の給付請求書」(様式第5号)、通勤災害(通勤中のケガ)の場合は、「療養給付たる療養の給付請求書」(様式第16号)を労災指定病院に提出します。

労働者は、比較的簡明な手続きで治療を受けることができます。

5 労災については当法人にご相談ください

労災に遭われた方で、勤務先などへの損害賠償請求の可能性がある方は、会社の協力や適切な対応を得られず、病院の選び方や労災の申請について十分な対応がされないことがあります。

労災について分からないことや知りたいことがある場合には、一度お早めに弁護士に相談することをおすすめします。

当法人では、労災についてのご相談を原則無料で行っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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