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2024年10月31日
自己破産では車はどうなりますか?
自己破産をすると車を取られるというイメージを持たれている方もいらっしゃるかと思います。しかし、多くの場合、車を手元に残せないのは、車にローンが残っている・・・
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2024年9月27日
自己破産の免責とはなんですか?
自分の収入で借金の返済ができなくなり困った場合に取る手段には、任意整理・個人再生・自己破産という3つの債務整理の方法が挙げられます。このうち、自己破産は、・・・
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2024年8月30日
自己破産での弁護士費用の支払いについて
自己破産手続きを弁護士に依頼した場合、必要となる費用は、主に弁護士報酬、実費、予納金です。手続き上、破産管財人が必要なかった場合の実費と予納金は、通常2~3万・・・
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2024年7月19日
自己破産をした場合に家族への影響はあるか
自己破産を検討する際、家族に影響はあるのかどうかを気にされる方もいらっしゃるかと思います。結論からいいますと、自己破産をした場合の同居の家族への影響については・・・
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2024年6月7日
自己破産をすると賃貸契約はどうなりますか?
賃貸物件に住んでおり、自己破産を検討している方の中には、自己破産をすると、住んでいる賃貸物件から追い出されるのではないかと不安に思う方もいらっしゃるかと思い・・・
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2024年5月20日
自己破産の流れ
自己破産の手続きは、法律上は、他の法律業務一般と同様に、債務者自身で行うことができます。しかし、債権者との連絡や裁判所とのやりとりを債務者自身で行わなければ・・・
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更新情報を掲載
自己破産に関する様々な情報を掲載しており、随時更新しております。ご参照ください。
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自己破産をお考えで免責不許事由がある方へ
1 免責不許可事由
自己破産とは、借金等の債務が支払えない場合に、財産等を売却してお金に換え、それを債権者に平等に分配した上で、それでも残ってしまった債務の支払義務を免除する手続きです。
ただ、自己破産をすればどんな場合も債務の支払義務が免除されるわけではありません。
このような免責を不許可とすることができる事由を、免責不許可事由といいます。
破産法に免責不許可事由が定められており、浪費やギャンブル等により過大な債務を負担した場合等については、免責を不許可とするとされています。
2 裁量免責
ただ、免責不許可事由があるからといって、免責許可が下りないわけではありません。
破産法は、免責不許可事由がある場合でも、「裁判所は、破産手続き開始の決定に至った場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。」(破産法252条2項)と定めています。
そのため、免責不許可事由がある場合でも、免責が許可されることはあります。
実務上は、免責不許事由があったとしても、破産者がきちんとそのことを反省しており、破産手続きにも協力しているような場合には、免責許可が下りることが多いかと思います。
一方で、免責不許可事由がることを隠そうとしたりして、虚偽を伝えて申立てをした場合には、免責が不許可になることもあります。
そのため、免責不許可事由がある場合でも、誤魔化したりせず、依頼する弁護士にきちんと説明することが、免責許可を得るためには重要になります。
3 個人再生
なお、個人再生の手続きには、破産法の免責不許可事由に相当する規定はないため、免責不許可になるかどうかが心配であれば、個人再生の手続きをとることも考えられます。
自己破産をお考えで免責不許事由がある方は、まずは弁護士にご相談ください。
自己破産をする場合の流れ
1 弁護士へのご相談とご依頼
弁護士に自己破産を依頼する場合の自己破産の手続きの流れはどのようなものになるでしょうか。
弁護士に相談をして、自己破産が適切と判断された場合には、弁護士に自己破産の手続きを依頼することになります。
弁護士は、債権者に受任通知を送って今後自己破産をする予定であることを債権者に通知します。
債権者がこの通知を受け取ると、裁判所の手続などを除き、本人に直接取り立てを行うことができなくなります。
また、自己破産をする場合には、一旦借金などの支払いを停止して債務の額を確定する必要がありますので、借金などの返済は一旦ストップすることになります。
弁護士に依頼すると、取立や返済が止まりますので、安心して自己破産の準備をすることができます。
2 自己破産の準備
自己破産をする際には、負債や財産など様々な資料を集め、書類を作成し、裁判所に提出しなければなりません。
例えば、申立人が債権者からいつから借り入れをしたかや、今いくら借金が残っているか等を裁判所に説明しないといけませんので、債権者から取引履歴を取り寄せ過払い金がないか再計算したり、債務についてまとめた書類を作ったり、根拠となる資料を集めて自己破産の準備をします。
また、申立人名義の預貯金や保険の情報や退職金の有無など、財産についての情報も必要になりますので、本人の協力のもとで様々な資料を集めて準備をしていきます。
3 自己破産の申し立て
自己破産手続きのために必要な資料や書類が揃うと、弁護士が裁判所に自己破産の申し立てをします。
破産手続は、原則として、申立人が管轄の裁判所に必要書類とともに申し立てをすることで開始しますが、申し立て書類の提出後も裁判所が必要とした追加の資料や書類を提出しなければなりません。
また、自己破産の手続費用として、裁判所に予納金を納めなければなりません。
4 破産手続開始決定
弁護士が提出した書類をもとに、裁判所が破産手続を開始する要件を満たしていると判断すると、破産手続開始の決定をします。
管財事件の場合には、破産手続開始決定と同時に、破産管財人の選任、破産債権届出をすべき期間、債権者集会の期日、破産債権を調査するための期間を定めて官報に公告し、破産者や債権者に通知します。
破産者は、開始後すぐに破産管財人と面談をして、破産管財人に書類の内容などについて説明をすることになります。
ただし、財産がなく破産手続きの費用が不足するような場合には、破産手続開始と同時に破産手続廃止の決定をし、官報に公告します。同時廃止の場合でも、裁判所によっては裁判所で免責審尋を受けることもあります。
5 財産、負債などの調査と配当
破産管財人は、破産手続きが始まると、財産や負債の調査をしたり、破産者の調査や指導を行ったりします。また、自由財産ではない価値のある財産は換価をしてお金に換えるなどします。
破産管財人は、定期的に開かれる債権者集会で、裁判所や債権者、破産者に対して、収支などの報告をします。
手続きの途中で配当がないことが分かれば異時廃止、各債権者に配当が可能であれば最終的には配当手続がなされます。
免責についての意見申述も債権者集会で行われます。
6 免責許可決定
調査等の後、最終的に裁判所から免責許可決定がされると、免責許可決定の正本が裁判所から送られてきます。
通常は、約1か月程度で免責許可決定が確定します。
免責許可決定が確定すると、非免責債権などを除いて債務の支払い義務がなくなり、破産手続きも終了します。
自己破産の相談ではどのようなことを話すのか
1 自己破産とは
自己破産とは、一言でいうと、支払が難しくなった場合に、財産等があれ売却して債権者に平等に分配し、それでも残ってしまった支払いの支払義務を免除する手続きになります。
2 どのような債権者がいるか
そのため、自己破産の相談では、まず、どのようなところに、どれくらい支払わなければならないものがあるかを教えていただく必要があります。
これは、銀行や消費者金融のようなお金を借りているところだけではなく、クレジットカードやローンで物を購入した場合のローン会社も含まれます。
また、自己破産では、会社だけでなく個人からの借入等についても対象になるため、個人の方からの借入についても教えていただく必要があります。
3 どのような財産があるか
また、破産は財産等があれば、売却して債権者に平等に分配するのが原則になります。
ただ、実際には、一定額以上の金額での売却や回収が難しい財産については、配当するまでもないとして、手元に残せることが多いです。
また、ある程度の金額になるようなものであっても、生活する上で必要なもの等については、自由財産としてもらい、破産後も手元に残せるようにしてもらえることも多いです。
そのため、破産手続きの中で売却する必要があるのか、それとも手元に残せる可能性が高いものかどうかを見極めるためにも、相談の際に、どのような財産を有しているかについて伺う必要があります。
4 支払いが増えてしまった経緯
また、どのような経緯で支払いが増えてしまったかも確認する必要があります。
破産の場合、浪費やギャンブル等で借金を作ってしまった場合、免責不許可事由に該当する可能性があります。
ただ、適切に対処すれば免責不許可事由があっても免責が許可されることがほとんどです。
そのため、支払が増えてしまった経緯について教えていただき、対処する必要があることがあるかどうかを確認させていただきます。
5 収支の状況
また、破産する場合には、裁判所に家計簿のようなものを提出する必要があるので、どのような収入があるのか、どのような支出があるのかを確認するために、収支の状況についても伺うことが多いです。
6 その他
破産のご相談される場合、以上のことを中心に伺うことが多いですが、それ以外にも破産の手続きに関連することもありますので、個別の事情によって、必要なことをうかがわせていただきます。
自己破産をすることでの生活への影響
1 自己破産の手続き中の生活への影響
自己破産の手続き中は資格が制限される職業があるため、保険の外交員や警備員などの一定の職業に就くことができなくなります。
その職業についている人は仕事を一旦やめるか、会社に一時的な異動を申し出る等の対応をしなければいけなくなります。
ただし、手続きが終われば、再びその職業に就くことに問題はありません。
また、破産手続き中には、すぐに連絡を取れるようにする必要があるので、引っ越しや長期の出張、海外渡航などをする際には、裁判所の許可が必要になります。
また、自己破産をすると、簡易な手続きである同時廃止の場合でも、破産手続開始決定時と免責許可決定時に2回、氏名や住所等が「官報」に掲載され公開されます。
官報は、法令の公布等や告知、会社の決算報告等のために、内閣府が行政機関の休日を除いて毎日発行する刊行物です。
官報は誰でも購入できるものですが、普通の書店等には売っておらず、一般の人で官報を確認することはまずありません。
そのため官報に掲載されても、日常生活に大きな影響はないでしょう。
2 自己破産をした後の生活への影響
自己破産手続き中は制限されていたものも、手続きが終了すれば制限がなくなり、元のとおりに戻ることがほとんどです。
しかし、全てが元通りに戻るかというとそうではありません。
自己破産手続きを行うと、自己破産をしたという情報が信用情報機関に事故情報として掲載され、いわゆるブラックリストに載った状態になります。
破産手続きで免責された後も一定期間は自己破産したことが事故情報として残り続けるため、その間はクレジットカードを作ったり借り入れをおこなったりすることが原則として難しくなります。
また、貸金業者は信用情報機関とは別に自社内で独自の記録を残していることがあり、信用情報機関の事故情報が抹消された後も、自己破産によって返済を受けられなかった業者から再び借り入れを行うことは難しいかもしれません。
それから、破産手続き後、何らかの理由で再度の自己破産を希望したとしても、前回の自己破産から7年以内であれば免責不許可事由に該当することになりますし、それ以降でも2回目の自己破産はハードルが高くなります。
3 自己破産をお考えの方はご連絡ください
破産手続きを行い免責許可決定がされると、借金の返済義務がなくなり、生活を立て直すことができます。
ただ、状況や場合によっては、自己破産したことによる影響で、生活に問題が生じる方もいらっしゃいます。
自己破産を考えられている方は、ぜひ弁護士法人心へご連絡ください。
当法人はなぜ自己破産の対応を得意としているのか
1 弁護士の担当分野性による専門性
当法人では、弁護士が「債務整理」などの各分野に集中して取り組んでおり、一人の弁護士が広く浅い知識で様々な分野をこなすようなことはありません。
特定の分野にできる限り集中して取り組むことで、その分野に対する弁護士の仕事のクオリティをできる限り高めています。
一人の弁護士が多くの自己破産の対応をすることで、豊富な経験と知識を蓄積できるようにしています。
2 自己破産に関する情報共有
当法人では、債務整理を集中的に担当する弁護士がおり、「債務整理チーム」を作り、たくさんの情報や成功事例の共有をすることで、自己破産を含めた債務整理の知識を蓄積しています。
また、裁判所ごとに自己破産の際の手続の運用に違いがある部分がありますが、地域ごとに区切って対応することで、その地域での裁判所の対応などの知識も豊富になっていきます。
複数の弁護士がいることで、複雑な案件では、弁護士間での相談や共有を行うことで、より適切な問題の解決が可能となります。
また、破産管財人を担当している弁護士も在籍していますので、破産管財人がどのように判断するのか予測をすることもできます。
例えば、どの程度の理由で免責不許可になる可能性が高いのかなど、破産管財人の視点からの情報も把握していますので、ご相談の際に的確なアドバイスが可能となります。
3 自己破産は当法人にお任せください
担当分野制を採用しているため、自己破産の相談に対応させていただく弁護士は、自己破産を含む債務整理案件を集中的に取り扱っている弁護士です。
自己破産をお考えの方は、当法人にご相談ください。
自己破産の相談で必要となる情報
1 自己破産の相談
借金の返済にお困りの方は、通常、弁護士に相談のうえ、その方に一番適切な債務整理を行うことになります。
債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産に大きく分けられ、それぞれに特徴があります。今回はその中でも自己破産に関してご紹介いたします。
自己破産は、裁判所を通して行う手続きで、免責が認められると借金の返済義務が免除されます。
自己破産は、借金等の返済義務自体がなくなる、借金問題の解決としてはメリットが大きい手続きです。
しかし、相談者の置かれている状況によって、自己破産のデメリットがメリットを上回ることもあります。
そのため、自分にはどの手続きが適しているのかについて、詳しい事情を説明のうえ、弁護士にご相談いただく必要があります。
以下では、弁護士とのご相談の際に、必要となる情報についてご説明させていただきます。弁護士と的確な相談を受けていただくためにも一度ご確認ください。
2 必要となる情報
弁護士とのご相談の際に確認する情報としては、大きく分けて3つあります。
1つめは、借金に関する情報です。
自己破産の申し立てをする際、裁判所にどこから借りているのか一覧にして提出する必要があるため、誰からいくらくらい借りているのか等、債権者の確認が必要となります。
また、借金が増えてしまった経緯によっては、免責が認められることが難しくなる可能性もあるので、借り入れたきっかけや何に借りたお金を使ったかなどを相談の際にお伺いさせていただけるとより、的確なアドバイスができます。
2つ目は、生活の状況に関する情報です。
お仕事の内容や月々の収入やボーナスの金額、また月々の生活に必要となる生活費についてご自身で把握したうえで、ご相談いただけますと、より具体的な相談ができます。
借金の返済がなくなっても収入よりも支出が多いような場合には、まずは生活の立て直しをしなければ破産をしても生活を続けることができません。
また、職業によっては、破産手続き中に就くことができない職業もあります。
職業によっては自己破産を避けなければならないため、きちんと確認する必要があります。
3つ目はご自身の財産に関する情報です。
自己破産を行うと、一定以上の価値のある財産は手放して、換金し、債権者に分配をしなければなりません。
何がそういった対象になるのか、自己破産をしてメリットがあるのか等判断しながらご相談させていただきますので、弁護士とのご相談前に自分にどのような財産があるかを確認しておいていただけると、ご相談がスムーズに進みます。
3 自己破産のご相談をお考えの方へ
もちろん上記3点の情報がなければご相談ができない訳ではございませんし、ある程度曖昧な状態でもご相談をすることはできます。
ただ、上記3点の情報があれば、よりお客様の状況にあったご相談が可能となります。
自己破産をご検討されている方はぜひ、当法人にご相談ください。
自己破産で必要な費用
1 自己破産する際に必要な費用
自己破産を弁護士に依頼する場合に一般的にかかる費用は、大きく分けると弁護士費用、実費、裁判所へ納める費用に分かれます。
2 弁護士費用
弁護士費用は、着手金、報酬金、出張費・日当、実費などがあります。
弁護士法人心での自己破産の場合の着手金は22万円~(税込)です。
債権者数の数や、車等の引き上げ手続が必要かどうか、免責不許可事由の有無、管財事件になるかどうかなどの状況によって、基本料金に加算されます。
報酬金はいただいておりませんが、過払い金が発生し、これを回収したときには回収額の19.8%(税込)を報酬金として頂戴します。
また、破産管財人が選任された場合は、破産管財人との面談や裁判所に行くための交通費、日当等が増えるので着手金以外にも約4~5万円以上かかることもあります。
実費については、案件処理をするにあたって必要な切手代、FAX代、コピー代、振込み手数料などが含まれます。
3 裁判所へ納める費用
裁判所へ納める費用としては、予納金、収入印紙、予納郵券があります。
申立をする際には裁判所へ納めるお金、予納金が必要になります。
同時廃止という簡易な手続きの場合、官報に掲載するための費用を含めて1万数千円程度かかります。
管財人が選出される管財事件になった場合には、管財人に支払う費用が必要ですので、予納金が通常20~40万円程度かかります。
収入印紙については、申し立てをする際、申立書に収入印紙を添付して提出しなければいけません。どこの裁判所に申し立てるかにもよりますが、1500円の場合が多いです。
予納郵券については、裁判所から各債権者へ破産手続に関する書面を送る際に必要となるもので、あらかじめ申立ての際に添付しなければいけません。
申立をする裁判所や、債権者の数や管財事件かによって前後しますが、だいたい約5000~6000円です。
4 まずは弁護士にご相談ください
当法人では、破産に関する相談料は原則無料でおこなっており、実際にご契約いただくまでは、原則、費用等は発生しません。
また、基本的に報酬金をいただかない料金形態となっております。
着手金やその他の弁護士費用については、債権者への支払いを止めた後から分割で支払いしていただくことも可能です。
自分の収入の中から費用の分割払いができないという場合には、法テラスを利用した費用援助を受ける契約をすることも可能です。
相談者一人一人に適した方法をご提案しますので、まずは弁護士へご相談ください。
自己破産ができないケースはどのようなものか
1 自己破産とは
自己破産とは、借金の返済ができなくなってしまった人が、裁判所を通して、税金等の非免責債権を除くすべての債務の免責を受ける手続きのことをいいます。
債務が免責されると、その債務の返済をする義務がなくなりますので、借金を返さなくてもよくなります。
自己破産は、不動産のようなご自身の大きな財産がない場合で、返済を続けていくことができない方におすすめの手続ですが、申立てを行った方が全員免責を受けることができるとは限りません。
法律によって免責を受けることができない条件が定められており、ご自身がこの条件にあてはまる方は別の手続きをご検討いただいたほうがいい場合がございます。
以下では免責をうけることができないと法律で定められている事由(=免責不許可事由)の7つについてご紹介いたします。
2 免責不許可事由
1つ目は、財産を隠したり、あえて壊す等、債権者に不利益な処分を行い不当に財産の価値を下げようとしたことが認められた場合は不許可事由とみなされる恐れがあります。
2つ目は、クレジットカード等で購入したものを著しく不利益な条件で売却することです。
例を挙げると、いわゆるクレジットカードの現金化のような行為をさします。
3つ目は、偏頗弁済が認められた場合です。
親族やご友人等親しい方に、破産をすることで迷惑をかけたくない等の理由から借金を返済してしまう方がいらっしゃいますが、こういった行為は偏波弁済とよばれる行為になります。
破産を行う際はすべての債権者を平等に扱う必要があるため、一部の債権者にのみ返済を行うことはできません。
4つ目は、借金の理由が、ショッピングや、ギャンブルの場合です。
5つ目は、破産の申し立てを行う1年前以内に、信用情報を偽って借入を行ったことが認められた場合です。
6つ目は、虚偽の債権者一覧表を提出したり、裁判所が行う調査について説明を拒んだり、虚偽の説明をした場合です。
7つ目は過去の破産の免責許可や再生計画認可決定の日から7年経過していない場合です。
これらの免責不許可事由に該当する場合は、申立てを行っても、免責を受けることができない可能性が高くなっています。
該当する場合であっても、それぞれのご事情によって、免責を受けることができる可能性がある場合もございますので、弁護士にご相談ください。
また、免責不許可事由に該当しなくても、資格の制限がありますので、お仕事の都合によっては自己破産を避けたほうがいい場合もあります。
一般的によく上げられるのは、警備員や保険の外交員の方です。
こういったご職業に就かれている場合はご相談の際に弁護士にお話しください。
3 弁護士から詳しくご説明をさせていただきます
自己破産をお考えの方で、ご自身が免責不許可事由に該当するのではないかと不安を感じる方もいらっしゃるかと思います。
一人一人の事情によって、裁量免責がされる可能性があり、そのまま自己破産のお手続きを進めることができる場合と、別のお手続きをご検討いただいたほうがいい場合があります。
自己破産のご相談の際には、弁護士から詳しくご説明させていただきますので、一度当法人までご相談ください。
自己破産の手続きにかかる期間
1 自己破産の手続きにかかる期間
弁護士にご依頼されてから最終的な解決までに必要な期間は、必要書類や費用の準備状況等により変動しますが、早い場合には3か月程度、通常のおよその目安として8か月から1年程度となっています。
それでは、自己破産手続きの流れをご説明いたします。
2 自己破産の準備
自己破産のご依頼をいただいた後は、弁護士がすぐに各債権者に自己破産のご依頼を受け、弁護士が窓口となったことを通知します。
これを受任通知といいます。
債権者が受任通知を受け取ると、債務者に対して直接やりとりをすることは法律で禁止されているため、督促などは基本的に止まることになります。
ただし、訴訟等の裁判上の手続を行うことはできます。
受任通知を送ることで、同時に債権者に対して債権の金額を届け出てもらうことを通知します。
自己破産の申し立てを裁判所に行う場合、破産者の財産や、債務について資料を提出しなければなりません。
また最低でも直近2か月分の家計の提出を求められるので、必要な資料を揃えるのに最低3か月程度はかかります。
住民票や車検証、保険証書など、働き方や持っているもの等によって必要となる資料は人によって様々であり、この資料集めに時間をとられると、解決するまでの時間も更に長くなります。
3 申し立てから手続き終了まで
債務者があまり財産を有していない場合、破産手続開始決定がなされると同時に、破産手続きを終了させてしまうことがあります。管財人による調査などを必要としない手続になり、これを同時廃止といいます。
同時廃止となった場合、その後約2か月の間に免責に対する債権者の意見申述の期間が与えられ、特に異議がなければその期間経過後約1週間で免責許可決定がなされます。
免責許可決定は、約1か月で確定し、手続は終了となります。
債務者に高額の財産がある、債務が増加してきた経緯に浪費やギャンブルといった問題がある、特定の債権者にだけ支払を行った事情がひとつでもあれば、管財事件という複雑な手続になる可能性があります。
管財事件の場合、裁判所から破産管財人が選出され、財産状況を調査して、お金に換えるべきものは換え、負債の原因なども調査します。
この場合、管財人の費用として最低でも20万円程度の費用の支払いが発生します。
破産者は破産管財人との面談や、債権者集会に出席しなければならず、慎重に判断されるため、申立てから免責許可決定の確定までの期間は1年~1年半程度になることもあります。
4 詳しくは弁護士にご相談ください
資料の準備期間や、同時廃止か管財事件かによって自己破産にかかる期間はばらつきがあります。
自己破産をお考えの方は弁護士法人心にご相談ください。
弁護士に自己破産を依頼することのメリット・デメリット
1 弁護士に自己破産を依頼するメリット1-返済しなくても督促を受けなくて済む
自己破産は裁判所に申請して、借金等を基本的に0にしてもらう手続きです。
弁護士に自己破産を依頼するメリットの第1は、返済しなくても督促を受けなくて済むことです。
弁護士等の専門家に自己破産を依頼すると、弁護士からお金を貸した貸金業者等に、弁護士が窓口になるという受任通知を発送します。
貸金業者は、これを受け取ると本人に直接督促することが禁止されますので、基本的に返済しなくても督促を受けることがなくなり、落ち着いて生活できるようになります。
2 弁護士に自己破産を依頼するメリット2-裁判所や管財人とも代理人としてやりとりしてもらえる
自己破産を弁護士以外に依頼するなら、司法書士がいますが、司法書士は書類の作成をしてもらうことはできても、自己破産で一緒に裁判所に行ったり、破産管財人との間で代理人として活動することはできません。
特に、破産に至る経緯に複雑な事情があり、裁判所に丁寧に説明する必要がある場合や、20万円を超える財産があったり事業をしていた方等で破産管財人がつく可能性がある場合は、司法書士に依頼するのと弁護士に依頼するのでは、裁判所への予納金の金額や、その後の進行が大きくかわることがあります。
3 弁護士に自己破産を依頼するメリット3-同時廃止で済む確率が高くなる
自己破産には、同時廃止と管財事件と2種類あり、借金が増えた経緯にも問題がなく、お金の流れから合理的に判断して財産が残っていないことが明らかでなければ同時廃止にはなりません。
管財事件になると、裁判所が破産管財人という別の弁護士を選任し、20万円以上の予納金を支払ったり、裁判所に行ったり、破産管財人との定期的な面談が必要になります。
自己破産の経験豊富な弁護士に依頼することで、借金が増えた経緯に多少の問題があったり、お金の流れが不明確なところがあっても、十分な説明をして同時廃止で済む確率が高くなります。
4 自己破産のデメリット1-不動産等の資産を失う
自己破産は、生活に必要最小限の財産以外は全てお金に換えて、債権者に分配する手続きです。
不動産は基本的に手放さなければならず、時価20万円以上の車・保険も手放さなければならないケースもあります。
5 自己破産のデメリット2-資料集めや書類作成等の労力がかかる
自己破産は、毎月家計の状況を資料をつけて作成したり、財産や収入の資料を集めたり、裁判所に出す書類の下書きを作成したりと労力がかかります。
弁護士等の専門家に頼んでも、資料がなければお金の流れや借金が増えた理由を説明することはできません。
集めなければならない資料には、本人でなければ取れない資料や、勤務先等、破産したことを知られずにすむよう弁護士を介さずに本人で集めなければならない資料があります。
法律で借金を0にしてもらう以上、資料の収集や作成のため一定の時間を割く必要があります。
6 自己破産は弁護士にご依頼いただくのがおすすめです
自己破産を誰にも依頼せずすることも法律上可能ですが、ずっと督促を受け続けることになったり、必要な資料が分からず裁判所への申立てができなかったり、説明や資料の収集の仕方に問題があり、そもそも借金が0にならないという免責不許可決定がだされてしまったり、弁護士に依頼していれば残せていたにも関わらず、生活に必要最小限の財産も取り上げられたりすることもあります。
自己破産は、ほとんどの方が初めてですので、よく専門家の話を聞いて依頼する弁護士を決めるのがよいでしょう。
自己破産の要件-支払不能
1 支払不能でなければ認められない
自己破産は、裁判所に申請して借金を0にしてもらう手続きです。
個人の自己破産は、支払不能でなければ破産手続が開始されません(破産法15条1項)。
支払いが十分可能であれば、借金を0にするのでなく支払うべきであると法律上考えられているのです。
ここでは、どういう場合が支払不能といえるかをお伝えします。
2 支払不能は破産法に定義がある
⑴ 支払不能とは
支払不能とは、債務者が支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいうとされています(破産法2条11項)。
支払能力を欠くとは、財産、信用又は労務による収入いずれをとっても返済ができない、つまり、財産を売っても、借入をしても、働いて得る収入からも返済ができないという意味です。
そして、返済しなければいけない日が来ているのに返済できない状態が継続的に発生する必要があります。
⑵ 支払停止により支払不能が推定されて緩和されている
ただ、破産法には、債務者が支払を停止したときは、支払不能にあるものと推定する(破産法15条2項)という規定があります。
支払を停止したときとは、夜逃げや、弁護士が債務整理を開始する旨の通知を全債権者に発送したこと等が含まれており、弁護士に自己破産を依頼して、それが債権者に通知されれば、この推定が働くことになります。
3 支払不能といえるケース
⑴ 個人なら収入が多くても財産がなければ、おおむね自己破産は可能
弁護士に自己破産を依頼すると、一般に借入はできなくなりますし、先ほどの支払不能であるという推定が働くので、たとえば月収が30万円程度あっても、ほぼ財産がなければ支払不能といえるケースが多いでしょう。
債務額が600万円程度なら任意整理(分割払いの話し合い)で月額10万円程度払えれば成立しそうですが、約束どおりの返済額が月額15万円あって、生活費を引くと11万円しか払えないとすれば、支払不能と認められる場合が多いでしょう。
⑵ 資産が相当額ある場合や多額の借入をしたばかりのときは要注意
ただ、不動産を売ったり生命保険を解約することでまとまったお金が入る場合、それを返済に充てて借金を返済できるので支払不能でないという認定もありえるため、自己破産が難しい可能性があります。
また、多額の借入をして間もない場合は、債権者から見ると借入金が手元に残っているかもしれないですし、新たな借入をすることで返済できそうにも思えるので、支払不能でないという認定もありえるため、自己破産が難しい可能性があります。
4 まずはご相談ください
支払不能か微妙なケースは、任意整理や個人再生など他の方法で解決すべき場合もありますので、詳細は弁護士までおたずねください。
自己破産しても残る財産
1 99万円までの現金
自己破産は、裁判所に申請して、目ぼしい財産はお金にかえて債権者に分け、それでも残る借金の支払義務を免除(免責)してもらう手続きです。
現金は、他の財産も合わせて99万円を超える部分は債権者に分けなければなりませんが、他に何の財産もなければ、99万円までを今後の生活に必要なものとして残せることが多いです。
2 家財道具
自己破産をすることで、洗濯機や冷蔵庫等の家財道具を持っていかれると心配される方も見えますが、異常に高価な家財道具以外は、差押えが禁止されている関係で、自己破産しても残すことができます。
3 掛け捨ての保険
生命保険等では、解約して20万円以上返ってくる保険は、換価して債権者に分配しなければならないことも多いですが、解約しても20万円未満しか返ってこない保険、特に掛け捨ての保険については、基本的に自己破産しても残すことができます。
4 時価20万円以下でローンが残っていない車
車は、公共交通機関が発達していない地域にお住まいの方には、生活必需品になります。
ローンが残っている車は、自己破産を弁護士に依頼すると、ローン会社が引き揚げにきてしまいます。
また、時価20万円を超える車は、高価であるとしてとられることもありますが、時価20万円以下でローンも残っていなければ、基本的に車を残すことが可能です。
5 時価20万円以下のお仕事に使う道具類
土木建築業に従事されている個人事業主さん等には、数千円から数万円で買える道具や工具を仕事に使っている方も大勢いらっしゃいます。
事業用の資産は、高価な機械類は自己破産すると残りませんが、時価20万円を下回る程度で、日常お仕事に使っている道具や工具については、基本的に差押えも禁止されており、自己破産しても残すことができます。
6 自己破産で財産が残るか心配な方へ
自己破産の相談に乗っていると、債権者にとられる財産がない人の方が多いくらいに感じます。
仮に、時価20万円を超えている等で債権者にとられそうな財産がある方も、個人再生という別の債務整理を選択したり、生活に必要不可欠であるとして残してもらえたりするよう、裁判所や破産管財人に働きかけること等により解決できる場合もあります。
自己破産をすると財産が全てなくなるのではと不安に思われている方や、残せる財産について心配な方は、お気軽に弁護士までお尋ねください。
ギャンブルで借金が増えた場合の自己破産
1 自己破産におけるギャンブルの基本的な扱い
パチンコ、競馬、競艇等のギャンブルによって借金が増える方は大勢いらっしゃいます。
一般に、ギャンブルで借金が増えた方には、自己破産は難しいとされることがあります。
なぜなら、破産法252条1項4号は、以下のように定めているからです。
裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。」
つまり、ギャンブルが原因で大きく財産が減ったり、借金が大きく増えたりした場合は、免責を許可する(借金をチャラにする)ことができないというのです。
これは、自己破産は、やむをえず借金が増えて払えなくなった誠実な債務者を救済するための制度であり、遊びや無駄づかいをして借金が増えた人を助ける必要はないと考えられていることに基づきます。
2 ギャンブルをした場合でも免責が認められうるケース
ただ、ギャンブルで借金が増えたからといって、絶対に免責されないわけではありません。
先ほどの破産法でも、手続きへの協力の程度や生活状況などの様々な事情を考慮して、免責を許可することが妥当であるときには、裁判所の裁量によって借金を返済しなくてもよいこととすることを認めています(252条2項)。
以下では、ギャンブルをしていた場合でも免責されるケースについてご紹介します。
⑴ ギャンブルが多いとは言えない場合
まず、借金の中ではギャンブルによる借金が多いとは言えず、借金の大半は病気で働けなかった等のやむをえない原因だった場合には、免責不許可事由に当たらず、同時廃止という簡易な破産手続きで終わることがあります。
先ほどの破産法252条1項4号は、ギャンブルで大きく財産が減ったとか、大きく借金が増えた場合の話です。
そのため、例えば月額1万円以下のギャンブルが2、3ヶ月あっただけという場合には、大きく財産が減っていないため、免責不許可事由には当たらないといえることが多いでしょう。
⑵ 管財人との面談や免責のための積立で免責されることも多い
自己破産によってせっかく借金の返済義務が無くなったとしても、またギャンブルをして借金してしまい、再び生活できなくなっては意味がありません。
そのため、ギャンブルにそこそこの金額を使っている場合は、免責不許可事由があるとして、破産管財人が生活状況等を観察する、管財事件という案件になります。
この場合、現在の借金の支払い義務を免除すればきちんと生活を立て直せるのかどうかを破産管財人が観察して、大丈夫との意見を言わないと、免除が認められません。
ただし、管財事件になっても、破産管財人との面談や求められた資料の提出、毎月一定額を積み立てて債権者に配当する等をすることにより、ほとんどのケースで借金の支払い義務が免除されます。
ある程度の金額をギャンブルに使っていたとはいっても、免責を認めずに借金の支払い義務を負わせたままにしておいても何も解決しません。
そこで、破産管財人等がきちんと指導したり、本来は自分のお金になるはずのお金の中から借金の一部を支払ったりすることで、一定程度の誠意を見せれば、残りの借金の支払い義務を免除しています。
このように、ギャンブルが原因の借金でも、裁判所の裁量で借金の支払い義務の免除を受けることが可能になるケースは多くあります。
ギャンブルが原因であるからというだけで自己破産をあきらめずに、まずは一度、自己破産に詳しい弁護士にご相談ください。
自己破産では生活費の把握が必要
1 自己破産では家計の状況を提出する必要
自己破産は、裁判所に申請して、借金を返済する義務をなくしてもらう手続きです。
自己破産では、裁判所に様々な書類を提出しますが、その中に、家計の状況を報告する書面があります(以下では、「家計の状況」と表記します)。
家計の状況が何か月分必要かということや書式での各項目の分け方などは裁判所ごとに異なりますが、基本的に、一家全体の1か月の収入と支出を全部記載する必要があります。
2 家計の状況を提出するには、一家全体の生活費の把握が必要
家計の状況を提出するためには、一家全体の収入と支出を把握する必要があります。
収入は、サラリーマンであれば、給料しかない方が多く、児童手当や年金がある方でも、おおむね2、3種類程度ですから、それほど難しくありません。
自己破産するなら、基本的に破産する方の借金の返済はなくなるはずですので、支出として出ていくのは、生活費になります。
生活費は、例えばご夫婦と未成年の子どもがいる家庭では、破産するご主人と奥様・お子様で、全くお金が別管理ということは通常想定されていません。
食費、水道光熱費、携帯電話代、家賃等は、ご主人、奥様、お子様分全部をまとめて払っているケースが通常であり、完全に分けて考えるのは難しいからです。
家計の状況を提出するには、一家全体の生活費を把握する必要がありますので、自己破産の際に、家族に内緒で手続きを進めるのは、非常に困難かと思います。
3 生活費を把握することが必要な理由3つ
自己破産を審査する裁判所が、生活費の把握を重視している理由は、大きく3つです。
⑴ 不適切な支出がないかチェックするため
例えば、自己破産する方がパチンコに毎月5万円使っているのであれば、無駄遣いとみなされ、借金を返さなくてもよいとしてはいけないと判断されることになります。
お金を貸した側からすると、自己破産で借金を返す義務がなくなるということは、貸したお金が全く返ってこないということですので非常に大変なことです。
貸した人の犠牲のもとで借金を返さないことを国が認めるのですから、不適切な支出をしたまま自己破産をして免責されることは許されないのです。
⑵ 財産を発見するきっかけになるため
例えば、家計の状況に保険料の支出がありますと、どの口座から払っているかや保険の種類を問うことで、口座や保険の存在を確認できます。
また、毎月の収入が約40万円で、支出が約25万円であれば、毎月約15万円の貯金ができますので、裁判所は、特段説明がなければ、相応の財産が残っているのではないかと考えます。
借金を返す義務をなくすことまでしなくても、分割などで支払っていくことが可能ではないか、すなわち、破産の必要がないかについても審査することがあります。
⑶ 免責を認めれば経済的に立ち直れるかをチェックするため
例えば、毎月の収入が約10万円で、支出が20万円なら、毎月10万円も赤字ですので、免責(借金を0にする)を認めても経済的に立ち直れず、裁判所は、生活費の節約等の改善がされない限り免責すべきでないと考えます。
借金がなくなっても収入よりも支出が多いのであれば、また借金をしないと生活ができないからです。
自己破産の申請をする人は、家計の状況を裁判所に提出して、借金がなくなったらきちんと収入で生活できることを分かってもらう必要があります。
4 家計の状況のつけ方は弁護士に相談を
生活費を把握することは、自己破産が終わった後も続いていく生活の立て直しのためにも不可欠です。
把握した生活費を、家計の状況にどう反映させるかは、先に述べたように、裁判所の様々な視点がありますので、弁護士にご相談ください。
自己破産について弁護士に依頼した場合と司法書士に依頼した場合の違い
1 司法書士に依頼できるのは書類の作成まで
自己破産は、地方裁判所で行いますが、司法書士は地方裁判所で代理人として活動することが認められていません。
つまり、司法書士は、自己破産をしようとしている方の代わりに、地方裁判所で手続きを行うことができません。
司法書士ができるのは、自己破産に関する書類を作成することまでです。
そのため、司法書士に自己破産を依頼した場合、自己破産の手続き自体は、ご自身で行うことになります。
一方、弁護士に依頼しますと、弁護士が代理人として自己破産の申立てなどの手続きを行うことができるため、ご自身で手続きを行う必要がありません。
2 司法書士には裁判所とのやり取りを任せられません
借金を抱えた方が、専門家に依頼せず、ご自身で自己破産をした場合、裁判所とのやり取りはご自身で行う必要があります。
では、司法書士に依頼した場合は、裁判所とのやり取りを司法書士に任せられるかというと、そういうわけではありません。
司法書士は、あくまで書類を作成する権限があるのみで、ご依頼者様の代理人として自己破産の手続きに関与することはできません。
そのため、司法書士に依頼した場合であっても、裁判所とのやり取りは、自己破産をする方自身で行う必要があります。
裁判所との専門用語がたくさん使われるやり取りを、自己破産を申し立てる方がご自身で行うことは非常に大変です。
弁護士に依頼すれば、弁護士が裁判所とやり取りをして具体的な説明や適切な指示を出してくれますし、必要に応じて詳しい説明を聞くこともできます。
3 司法書士は裁判官との面談に同席できません
自己破産の手続きを進める中で、裁判官との面談が必要になることがあります。
司法書士は、あくまで書類を作成するまでしかできないため、裁判官との面談には同席することができません。
自己破産をする方が、お一人で裁判官と面談することになりますので、法律用語を用いた裁判官による質問に本人が直接答える必要があります。
弁護士に依頼すれば、裁判官との面談に同席することができ、ご本人に代わって説明をしたり、裁判官の質問の意味を説明したりすることもでき、安心して面談に臨めるかと思います。
4 弁護士に自己破産の手続き全てをお任せいただけます
弁護士は、自己破産の手続きについて、お客様の代理人として活動することができます。
つまり、弁護士であれば、書類作成だけにとどまらず、ご依頼いただいた方の代わりに、裁判所とのやり取りまで行うことができますし、裁判官との面談に同席することもできます。
このように、法律上司法書士ができないことであっても、弁護士であればできることが多くあります。
自己破産を検討されている場合には、まずは弁護士にご相談ください。
弁護士に依頼すれば、ご本人に代わって様々な対応をしたり、裁判所や管財人事務所での手続きにも同席して対応してもらえるので、安心して自己破産手続きを行うことができるかと思います。
自己破産について相談するタイミング
1 自己破産の相談は、早く行うことが大切です
自己破産は、免責を許可する決定がなされると、債務の返済義務を原則として免除することができる手続きです。
借金の返済ができなくなってしまった方に有用な手続きとなります。
自己破産をすることで生活を根本的に立て直すことができるため、債務の返済が苦しいと感じたことがある方にとっては、非常にメリットが大きい制度といえます。
自己破産をしない間は、毎月借金の利息や元本を返済し続けなければなりませんが、自己破産をすれば、それらの義務から解放されます。
その視点から考えると、借金を返せなくなって自己破産をするのであれば、ある程度早い段階でしてしまった方が、メリットが大きいとも言えます。
そのため、自己破産の相談は、できるだけ早いタイミングで行うことが大切です。
2 以下に当てはまる方は早期のご相談をおすすめします
債務があるからといって、必ずしも自己破産が適切とは限りません。
しかし、以下の項目に当てはまる方は、早期に自己破産を行った方がメリットが大きい可能性があります。
⑴ 事故や病気で働くことができなくなった場合
今までは継続的に収入があって、債務の返済ができていたという方でも、事故や病気で働くことができなくなった場合、債務の返済は困難になります。
ケガや病気がよくなり、再び仕事を見つけることができたとしても、ケガや病気の間に債務が利息で膨らんでいては、経済的に厳しいスタートとなってしまいます。
また、ケガや病気がよくならないのに、借金が心配で無理に仕事をすると、ケガや病気が悪化してしまう可能性もあります。
事故や病気で働くことができなくなった場合には、お早めに弁護士に相談して自己破産をして生活を立て直すことをご検討ください。
⑵ 元本を減らすことができていない場合
多数の消費者金融から借り入れをしているなどの理由で、毎月の返済が利息の返済に充てられ、元本が減っていない状態が続いているようであれば、今後も債務が減る可能性は低いと言えます。
そのままの状態では、ただただ利息を消費者金融などに支払い続けることになり、生活が苦しくなる一方です。
借金の返済を滞納して、給料の差し押さえを受けてしまっては、会社に居づらくなったり、会社で仕事を続けても差し押さえで手元にくる給料が減り、ますます苦しい生活になったりします。
そうなってしまうと、給料を積み立てて自己破産をするための費用を準備することすらできなくなってしまいます。
返済をしていても、元本を減らすことができていない場合には、利息の返済ができなくなる前にお早めに弁護士にご相談ください。
⑶ 債務の返済で気分が憂鬱な場合
毎月、債務の返済のことばかり考えてしまい、気分が憂鬱になってしまうような場合は、自己破産を検討するべきです。
そのような精神状態が長く続けば、心身ともに苦しい状態になり、働くことに影響がでることもあり得ます。
債務が膨らんだ上に、仕事まで失ってしまっては、経済的な再スタートが難しくなってしまいます。
債務の返済で気分が憂鬱な場合には、お早めに弁護士に相談して、借金のストレスを減らしてみてください。
自己破産について相談する専門家の選び方
1 自己破産の実績が豊富な専門家
自己破産では、各債権者との対応、必要な資料収集、裁判所へ提出する書類作成等、複雑な法的手続きが必要になります。
また、自己破産は、裁判所に支払う費用が安く済む場合と、数十万円の費用を追加で支払わないといけない場合があり、どちらの手続きに進むかは、専門家の力量によって左右されることが少なくありません。
そのため、自己破産について依頼する際には、自己破産の実績が豊富な専門家に相談することが大切です。
2 自己破産専用のホームページがある事務所
ホームページは、その事務所の情報を発信するためのものであり、いわば「事務所の顔」です。
ネット社会の今、事務所のホームページがあるところは珍しくありませんが、特定の分野に特化したホームページまで作成している事務所は多くありません。
ホームページの作成費用や手間をかけて自己破産に特化したホームページを作るということは、その事務所が自己破産に力を入れている一つの証拠と言えます。
3 地方ごとの裁判所の運用の違いを知っているか
自己破産は、地方裁判所に申し立てることになりますが、地方裁判所によって運用がかなり異なります。
その運用の違いによって、提出すべき書類や、対応すべき事項も異なってきます。
自己破産をスムーズに進めるためには、そういった裁判所ごとの運用の違いを理解している必要があります。
そのため、自己破産の依頼をする場合は、その地方の裁判所の運用を把握している専門家に相談することも大切と言えます。
4 自己破産のデメリットも伝えてくれるかどうか
自己破産をすると、一定期間、借り入れができなくなるなど、いくつかのデメリットが生じることがあります。
自己破産をお考えの際は、メリットとデメリットを比較して、十分に納得した上で依頼することが大切です。
そのため、自己破産のメリットだけでなく、デメリットについてもしっかり説明し、後悔のない選択を後押ししてくれる専門家に相談することをおすすめします。
弁護士に自己破産を依頼するメリット
1 難しい自己破産の手続きを任せることができます
自己破産は、原則として借金をゼロにすることができるという点で、借金でお悩みの方にとっては大きなメリットがある制度です。
他方、自己破産は、裁判所が監督する中で行われる厳格な手続きのため、簡単に行えるわけではありません。
例えば、裁判所に提出する自己破産の申立書には、法律で決められた事項について漏れなく記載しなければなりません。
しかし、自己破産手続においては法律用語が多く用いられているため、法律に詳しくない方にとってはその意味を調べるだけでも大きな負担になってしまうかもしれません。
弁護士に自己破産を依頼すれば、そういった手間を省くことができます。
また、自己破産をする場合は、多くの資料を集めた上で裁判所に提出する必要がありますが、どのような資料が必要かは事案によって異なります。
弁護士に依頼すれば、資料の収集についても的確なアドバイスを受けることができます。
2 貸金業者とのやりとりを任せることができます
自己破産を弁護士に依頼すれば、弁護士は、債権者に対して依頼を受けた旨の通知を出します。
貸金業者がこの通知を受け取ると、それ以降は取り立てが禁止されます。
その他にも、自己破産をするためには、貸金業者から資料を取り寄せる必要がありますが、弁護士に依頼すればそういった手続きも弁護士に任せることができるため、基本的にはご自身で貸金業者とやりとりをすることがなくなります。
3 自己破産手続きの費用を安くできる可能性があります
自己破産の手続きには、同時廃止事件と管財事件の二つがあります。
同時廃止事件は比較的簡単な手続きであり、自己破産手続きをスピーディーかつ、安く進めることができます。
他方、管財事件はより複雑な手続きであり、費用も数十万円高くなります。
こういった手続きの違いから、弁護士は、いかに同時廃止事件に持ち込むかということを考え、自己破産手続きを行います。
自己破産を集中的に扱っている弁護士であれば、どのような場合に同時廃止事件になるのかを熟知しているため、そういった弁護士に依頼すれば同時廃止事件にできる可能性が高まります。
同時廃止事件と管財事件の違いについて詳しくご存知の方はあまりいらっしゃらないかと思いますし、どういった場合に管財事件となるのかをご自分で判断するのも難しいかと思いますので、弁護士に相談されることをおすすめします。