労災
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労災に関する弁護士と社労士の権限の違い
1 社労士と弁護士
労災について相談する専門家には、弁護士と社労士(社会保険労務士)がいます。
弁護士と社労士の権限には、どのような違いがあるのでしょうか。
社労士は、労働及び社会保険に関する事務処理の委託を受けて、専門家として、書類等の作成代行、提出代行、個別労働関係紛争の解決手続きの代理、労務管理や労働保険、社会保険に関する相談等を受けることができます。
ただし、原則として法律行為の代理業務を行う権限はありませんので、会社に対する損害賠償請求などをすることができません。
特定社会保険労務士であれば、労働局のあっせん手続のみ代理権がありますので代理することができますが、それ以外の交渉を行うことはできません。
弁護士は、労働関係法令を含む法律問題に関する一切の権限を有していますので、弁護士資格があれば社労士業務を行うことができます。
労災申請の代行やあっせん、労働組合との交渉などを含む一切のトラブル解決のための代理業務を行うことができます。
2 労災問題の解決の専門家
労災の被災者が、社労士に依頼したり、会社の社労士に代行したりして労災認定がされたとしても、労災で補償されなかった損害について会社から賠償を受けるためには別の交渉が必要となります。
また、会社などから賠償を受けようとして話し合いで解決できず、最後まで争われる場合には、最終的には裁判を行わざるを得ません。
そして、裁判を代理できるのは弁護士だけです。
労災申請後に会社などへの損害賠償請求を考えている場合には、労災発生当初から証拠を集めておくことや、書類の作成時に気をつけておく必要があることもあります。
労災認定後に会社などに対する損害賠償請求を考えている場合には、早めに弁護士に相談しておく方が安全です。
3 労災に関する相談は弁護士へ
労災で会社に傷病の責任があって会社などへの請求を考えている場合には、必ず労災に詳しい弁護士にご相談ください。
弁護士に相談することで、会社との交渉や訴訟の際にスムーズな解決を行うことができます。
会社が労災について手続きをしてくれない場合の対応方法
1 会社の労災隠しと手続きの拒否
通勤や仕事が原因のケガや病気になって、被災者が労災申請をしようとしたとき、労災ではないなどといって会社が労災の手続きをしてくれないことがあります。
では、会社が労災申請に協力してくれないときには、被災者はどうすればよいのでしょうか。
以下では、その対応方法についてご説明します。
2 労災は自分でも申請できる
会社が労災と認めて手続きをしてくれなければ労災申請ができないと思っている方もいらっしゃいますが、そのようなことはありません。
会社が労災でないと言って対応を拒否していたとしても、自分で労災申請をすることができます。
そもそも、会社が被災者に代わって労災申請を行っているのは、手続きが困難な従業員の労災手続きについて会社に助力する義務があるからであり、会社はあくまで被災者が行う手続きを代行しているにすぎません。
労災保険の請求者は被災者本人ですので、会社が手続きをしてくれなければ、労働基準監督署に相談しながらご自身で申請を行うことができます。
3 事業主証明の記載を拒否されることがある
労災の手続きをする際には、決まった書式の書類を提出します。
その書類には「事業主証明」欄があり、会社の署名が必要になっています。
この署名は、あくまで会社と被災者に雇用関係にあること等を証明しているもので、記載した事実関係や労災であることを会社が認めたということではありません。
しかし、会社が後の損害賠償や労働基準監督署の調査などをおそれて署名をしなかったり、間違った事故状況を記載しようとしたりすることがあります。
会社には、事業主証明欄の記載について協力義務がありますが、色々な理由をつけて事業主証明欄の記載を拒否しているのが実情です。
もちろん、会社が事業主証明をしても労災が認められるわけではなく、会社が労災と認めていても労働基準監督署に労災として認められない場合もありますが、労災にしたくない会社は、被災者が申請を諦めるように様々なことを言ってきます。
事業主証明の記載を拒否された時は、被災者はどうすればよいのでしょうか。
4 事業主証明の記載を拒否されても申請可能
申請書の記載事項ですので、会社が署名してくれなければ申請できないのではないかと勘違いをしている方も多いのですが、事業主証明を拒否されたのであれば、被災者自身が自ら書類を準備して労働基準監督署に申請を行えばよいことになっています。
労働基準監督署は、事業主が署名拒否していても書類を受領し、事業主からは署名を拒否した理由を確認しつつ、労災に該当するかの調査をすることになります。
5 労災の相談は弁護士へ
労災を申請する際には、病気やケガで大変な時期に申請をしなければならないことが多いかと思います。
労災について調べたり、労働基準監督署に相談に行ったりすることが、被災者の大きな負担になっていることもあります。
会社が労災の手続きをしてくれないときには弁護士がお力になれますので、京都でお悩みの方は当法人にご相談ください。
通勤中の事故で労災保険を使う場合
1 通勤災害が起こった場合
労働者が就業のための通勤の際に傷病を負った場合には、通勤災害として労災保険を使用することができます。
通勤災害の場合には、業務災害とは異なり、労働者の傷病について会社には責任がないことが通常です。
そのため、労災保険を使用しても会社の保険料が上がるなどの会社の不利益はありません。
業務災害でも通勤災害でも、労災保険から受ける基本的な補償内容は同じです。
治療費については療養給付、休業損害については休業給付、その他にも障害給付、遺族給付など、手厚い補償を受けることができます。
通勤途中に事故に遭ったり、転倒してケガをしたりした場合には、通勤災害であるかを検討して、忘れずに労災保険の使用を検討してください。
2 「通勤」とはどのような場合か
では、どのような場合に通勤災害として労災保険を使うことができるのでしょうか。
「通勤」とは、就業に関し、以下の移動を合理的な経路や方法で行うことをいいます(※業務の性質を有するものは除く)。
①住居と就業場所との往復
②就業場所から他の就業場所への移動
③住居と就業場所との間の往復に先行し、または後続する住居間の移動(=単身赴任をしている住居と帰省先の住居との往復)
①については、
就業場所は、その日の業務を開始または終了する場所ですので、事務職など毎日同じ場所が就業場所になる方もいますし、外勤の方や作業現場が日によって変わるような仕事であれば毎日就業場所が異なることもあります。
複数の事業場で働く方やダブルワークをしている方は、就業場所から次の就業場所へ合理的な経路で移動するときには移動するまでが通勤になります。
また、帰宅途中に病院に立ち寄るなど通勤経路を外れた後に労災に遭った場合でも、病院を出て元の合理的な経路に戻れば、その後は通勤になりますので、通勤災害となることもあります。
通勤災害が使用できる通勤中の事故と言えるかには、複雑なルールがあります。
通勤中の事故で労災保険の使用を会社から否定された場合でも、本当に通勤にあたらないかを弁護士などの専門家に確認したほうがよいでしょう。
労災の不服申立てについて
1 労災保険給付請求
労災保険の申請は、労働基準監督署長に労災保険給付の支給請求書を提出して支給請求をし、認められれば支給決定が、認められなければ不支給決定されて通知書が届きます。
では、不支給決定や支給決定など決定に不服がある場合には、どのような手続きがされるのでしょうか。
2 審査請求
労働者やその遺族等は、労働基準監督署長の支給をする又はしないという決定(原処分)に不服がある場合には、処分を知った日の翌日から3か月以内に、その決定をした労働基準監督署の所在地を管轄する労働局の労働者災害補償保険審査官に対し、審査請求をすることができます。
審査請求は、直接審査官に行うこともできますし、審査請求人住所を管轄する監督署長や原処分をした監督署長を経由して行うこともできます。
審査官は、審査請求をした日から3か月以内に、審査請求を棄却する決定か、原処分を取り消す決定をしなければなりません。
審査請求をした日から3か月を経過しても決定がないときは、労働保険審査会に再審査請求をすることが可能になります。
3 再審査請求
審査請求に対する審査官の決定に不服がある場合や、審査請求をした日から3か月を経過しても決定がない場合には、再審査の請求をすることができます。決定に不服がある場合の再審査請求は、審査官から決定書の謄本が送付された日の翌日から2か月以内に、労働保険審査会に対して行います。
再審査請求は、審査会に対して文書で行いますが、再審査請求人の住所を管轄する監督署長や保険給付に関する決定(原処分)をした監督署長もしくは審査官を経由して行うこともできます。
審査会は、再審査請求から3か月以内に、再審査請求を棄却する裁決か、原処分を取り消す裁決をしなければなりません。
再審査請求をした日から3か月を経過しても裁決がないとき、著しい損害を避けるため緊急の必要があるときなど正当な理由があるときは、原処分(労働基準監督署長の決定)の取消訴訟の提起が可能になります。
4 取消訴訟
再審査請求をした日から3か月を経過しても裁決がないとき、著しい損害を避けるため緊急の必要があるときなど正当な理由があるとき、審査会の裁決に不服がある場合に は、国を被告として原処分について取消訴訟ができます。
また、審査官の決定に不服がある場合には、決定や裁決があったことを知った日の翌日から起算して6か月以内に、審査会への再審査請求を行わずに取消訴訟を行うこともできます。
ただし、決定や裁決があった日から1年経過した場合には、取消訴訟を行うことはできません。
5 労災の不服申立は弁護士にご相談ください
労災の不服申立には、厳格な期限があり、不服申立をするためには、迅速に決定などの理由を明らかにして不服申立を行う必要があります。
適切な不服申立を行うためには、個人情報開示請求などの必要もあり、時間が限られています。
労災の不服申立をお考えの方は、できるだけ早くお近くの弁護士にご相談ください。
労災を弁護士に依頼した場合の料金の目安
1 労災で請求できるもの
労災が発生した場合、100%労働者の過失(落ち度)であった場合でも、労働基準監督署に労災保険の申請をすることができます。
また、会社などに労災の発生したことに対する過失がある場合には、会社などに民事上の損害賠償請求をして労災保険でカバーされていない損害を請求することが考えられます。
労災で労災保険の申請をする場合には、会社に手伝ってもらって費用をかけずに申請をする場合もあります。
しかし、会社の労災隠しなどで手伝ってもらえず、自分で労働基準監督署にいって手続きをしたり、社会保険労務士や弁護士に依頼して手続きをしたりすることもあります。
会社に請求する際には、自分で交渉する方もいますが、いくら請求をすればよいのかやどのように交渉すればいいのかが分からず、弁護士に依頼される方もいらっしゃいます。
2 労災申請の弁護士費用
労災申請を弁護士に依頼する場合にかかる可能性がある弁護士費用は、相談料、着手金、報酬金になります。
弁護士費用は自由化されており、それぞれの弁護士事務所ごとに異なっています。
弁護士法人心では、初回の相談料は基本的にはいただいていません。
ただし、内容や難易度などによって、再度ご相談する際に費用が掛かる場合もございます。
費用が掛かる場合には、あらかじめ相談の際にお話しをさせていただいております。
着手金については、精神疾患を除いておケガや病気の場合には、原則としてはいただいておりません。
精神疾患の労災申請については、税込み33万円から難易度などに応じて着手金がかかります。
報酬金については、最低報酬額がございますが、基本的には獲得した金額に対して、決まった割合での報酬をいただいております。
3 当法人の会社等への損害賠償請求の弁護士費用
会社等への損害賠償請求の弁護士費用も事務所によって様々です。
当法人では、精神疾患で労災認定を受けていない場合を除き、相談料、着手金は原則としていただいておりません。
精神疾患で労災認定を受けていない場合は、労災申請と合わせてご依頼いただいている場合を除いて着手金33万円からとなっております。
また、当法人では、会社等への損害賠償請求の報酬金については、原則、賠償金額の19.8%となっております。
もちろん、内容や難易度などによって変わってきますので、きちんとお話を伺った後で費用の見積もりをご提示させていただきます。
弁護士にご依頼の際は、きちんと事情を説明して、弁護士費用や実費等のかかる費用について納得したうえで、依頼をするかどうかを決定しましょう。
労災における弁護士法人心の強み
1 労災についての豊富な知識と経験
労災には、関連する法律や規則が多くあり、とても複雑な制度となってしまっています。
労災について請求できる場合の請求先も一つとは限らないため、労災についての法律等や知識、関連する事項や相互の関係を含めて正確に把握し、理解していないと、きちんとした請求ができなくなってしまいます。
労災にあった方は、労働基準監督署に対する請求、会社や加害者本人に対する請求、場合によっては元請けに対する請求など、誰に対し何が請求できるか、できないか等を事情に基づいて検討する必要があります。
会社の安全配慮義務違反や不法行為責任、使用者責任等が認められることで、労災保険の給付の他に損害賠償を請求できることもあるからです。
弁護士法人心にご相談いただければ、労災に関する知識や経験が豊富な弁護士が相談を伺いますので、会社等の責任や労働者の過失の有無等、請求可能性についてもご説明させていただきます。
2 トータルでのサポート体制
当法人には、社会保険労務士の資格をもった弁護士がおり、またグループ内には社会保険労務士が所属しています。
そのため、労災保険申請や労務手続、会社等に対する損害賠償請求まで、トータルでのサポート体制を構築しています。
労災保険への申請自体を当法人に依頼していなくても、労災に関するご相談であれば知識がある専門家に相談や確認ができますので、安心して労災におけるすべての請求についてワンストップでご依頼いただけて、全てを任せることができます。
3 事務所や弁護士の多さ
労災については、示談交渉で話がつかなければ、裁判をする必要があります。
裁判をする際には、通常は弁護士が裁判所に行く必要があるため、ある程度お近くの弁護士に相談する必要があります。
当法人は、東海地方を中心に、関東地方、関西地方にも事務所があり、労災の対応可能な弁護士が所属しております。
お近くの当法人の事務所で労災のご相談をしていただくことができますので、安心してご相談ください。
労災を弁護士に相談したほうがよい場合
1 会社が非協力的な場合
労働者が、労災申請をする場合、会社や会社の顧問社労士が労災申請を手伝ってくれる場合が多くあります。
また、会社が協力をしてくれなくても、自分で直接労働基準監督署で労災申請をすることもできます。
しかし、労災にあった状態で、専門的でとても煩雑な労災申請を自分ですることは非常にストレスになります。
会社が労災申請に協力してくれなかったり、会社とのやり取りが負担になる場合には、弁護士への依頼をご検討ください。
また、会社が非協力的な態度をとっているときには、労災隠しをしている可能性もあります。
会社が事業主証明を拒否するなど、労災申請に非協力的な態度をとっている場合には、一度、弁護士に相談することをおすすめします。
2 労災保険給付の他に会社に損害賠償請求が可能な場合
会社には、雇用した従業員などが、安全で働きやすい環境で仕事ができるように健康や安全に配慮するという安全配慮義務があります。
会社が安全配慮義務に違反した場合には、発生した損害を賠償する責任を負いますので、労災が発生した状況によっては、会社に対して責任を追及できることがあります。
このような場合、労災では給付されない精神的苦痛に対する損害賠償の他にも、労災保険給付では不足している損害について、会社から損害賠償金を受け取れる可能性があるのです。
会社に何らかの損害賠償請求ができる可能性がある場合には、労災を弁護士に相談したほうがよいです。
3 ケガなどの程度が重い場合
労災で重い傷病を負った場合には、治療が長期化しがちで、請求できる賠償金の金額が大きくなったり、後遺障害が残ったりする可能性があります。
労災保険からの給付にも時効がありますので、治療が長期化しているときに労災請求を後回しにしていると、時効で労災保険からの給付を受け取ることができなくなることもあります。
労災であっても、症状が重い場合には、できるだけ早く弁護士に相談し、手続きの注意点などのアドバイスを受けてください。
また、必要な場合には、弁護士に相談依頼することも検討しなければなりません。
労災の相談から解決までの流れ
1 弁護士との相談
労災でおケガ等をされた方は、まず弁護士にご相談いただき、事故状況や態様などの具体的なご事情を伺い、労災となるのか、勤務先の会社に過失が問えそうか等の判断をします。
労災保険への申請や会社に対する安全配慮義務違反等に基づく損害賠償請求についてのアドバイスなど、労災にあった際には様々な請求権が発生します。
被害者本人がどのような解決を望んでいるのかによって、適切なアドバイスをします。
伺った事情によっては、残っていそうな証拠や資料の目星を付けてご本人に取り付けをお願いし、更に詳しい情報を集めてから再度アドバイスをすることもあります。
2 調査、資料の収集
労基署等への情報開示や警察への弁護士会照会などを使い、労災の証拠となる資料を集めます。
ご本人で集めることが可能な資料もございますので、弁護士と協力をしながら証拠となる資料を集めたり労災の原因を調査したりしていきます。
3 資料に基づいた勤務先の会社への損害賠償の検討と請求
会社に労働配慮義務違反などがあれば、債務不履行を理由として民事上の損害賠償請求ができます。
必要な資料が集まったら、弁護士が、会社に安全配慮義務があるか、ご本人にも過失がないか、過失があるとしてどの程度になりそうかの判断をし、被害者に発生した損害の賠償を勤務先の会社に請求をします。
特に、労災保険からは慰謝料は支払われませんので、労災保険から給付を受けたものを除いて正確に請求をしていくことになります。
勤務先の会社が任意保険に入っている場合には、会社ではなく保険会社と交渉をすることもあります。
4 勤務先の会社との示談による解決
話し合いで過失の割合や賠償金額が決まれば、示談をすることになります。
労災保険から既に給付を受けたものについて会社から給付を受けたと疑われ、労災に賠償金の中から返還の請求を受けることもありますので、示談をする際には示談書の文言に注意が必要です。
5 勤務先の会社との訴訟による解決
話し合いで解決できない場合には、訴訟を提起して争うことになります。
収集した証拠を提出して、裁判の中で争うことになりますが、訴訟を提起することで裁判所を通じて収集できる証拠もあります。
裁判所の判決が出て確定すると、会社が自主的に払わなくても強制執行をして会社の財産を差し押さえる等ができる可能性があります。
6 労災は弁護士にご相談ください
労災問題の解決は非常に難しく、会社という組織と個人が交渉をしていくことになります。
当法人では、労災問題を得意とする弁護士で労災チームを作っており、労災の知識やノウハウを共有し蓄積し、よりよい解決ができるよう尽力しておりますので、労災問題でお困りの方は、一度ご相談ください。