預貯金の名義変更に関するQ&A
相続が発生すると、なぜ預貯金の名義変更や解約が必要なのですか?
相続によって、預貯金の権利者が変わるため、名義変更や解約が必要になります。
たとえば、お父さんが亡くなったとしても、すぐに預貯金の口座が凍結されることはありません。
銀行側がお父さんの相続を知らなければ、口座が凍結されないため、暗証番号さえ知っていれば、家族が預貯金を払い戻すことは可能です。
しかし、相続の発生後は、預貯金の権利は相続人が共有している状態になります。
その共有物を一人の相続人が勝手に使ってしまうと、後々トラブルに発展することがあります。
そこで、預貯金の相続手続として、名義変更や解約が必要になります。
預貯金の名義変更や解約をするためには、何が必要ですか?
たくさんの戸籍が必要です。
相続の手続きである以上、まずは本人が亡くなったことを証明する必要があります。
亡くなった方の出生から死亡までに作成された全ての戸籍が必要です。
次に、相続人の人数を確定させるための戸籍が必要ですが、場合によっては20通以上の戸籍が必要なことがあります。
相続人全員の印鑑証明書は必ず必要なのですか?
基本的に相続人全員の印鑑証明書が必要ですが、遺言書があれば、不要なこともあります。
銀行側は、相続人間のトラブルに巻き込まれることを防ぐため、相続人全員の実印と印鑑証明書がないと、預貯金の名義変更や解約に応じません。
ただし、遺言書があって、預貯金を相続する人があらかじめ指定されている場合は、相続人全員の同意が必要ないため、相続人全員の実印や印鑑証明書が不要なこともあります。
遺言書が無い場合は、遺産分割協議書が必要ですか?
遺産分割協議書は必ずしも必要ありません。
遺産分割協議書は、遺産の分け方に関する合意書ですが、銀行側は遺産の分け方自体には関与しません。
預貯金の名義変更や解約そのものに相続人が同意していることが確認できれば、それ以上の確認は不要と考えているようです。
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