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代償分割に関するQ&A

  • 文責:所長 弁護士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2022年10月13日

代償分割とはどんな遺産の分け方ですか?

相続人が特定の遺産を取得する代わりに、他の相続人に対しお金を支払うという遺産の分け方です。

たとえば、お父さんが亡くなり、相続人が長男と長女だとします。

遺産はお父さん名義の自宅しかなく、この自宅の価値が1000万円だった場合で、長男が自宅を相続すると、長女は何も遺産を取得できないということになります。

このようなケースで、長男が、長女に対し、自分の資産から500万円を支払えば、結果的に長男と長女が500万円ずつ相続した形を実現できます。

このような遺産分割の方法を、代償分割と言います。

どのようなケースで、代償分割を行うのですか?

遺産が不動産しかない場合や、特定の相続人が相続手続を代行する場合には、代償分割を行うことがあります。

先程の例だと、長男が唯一の遺産である自宅を相続したため、長男が長女にお金を支払わないと、不公平な結論になることから、代償分割が行われやすいと言えます。

また、仮にお父さんが残した遺産が預貯金だけだった場合でも、代償分割を行うことがあります。

たとえば、お父さんが5つの銀行に口座を持っており、解約手続きを長男が中心になって行う場合、全部の預貯金を長男が相続することにすれば、手続きがスムーズになります。

すべての預貯金の解約が終われば、長男がいったん遺産の預貯金すべてを取得し、後日、長女に代償金を支払うという形になります。

代償分割のデメリットはありますか?

代償金を支払う人がお金を用意できない場合、トラブルになることがあります。

先程の例で、長男がお父さんの自宅を相続し、長女に500万円支払うというケースだと、長男は自分の資産から500万円を捻出しなければなりません。

もし500万円を支払うことができなければ、お父さんから相続した自宅を売却しなければならない場合もありえます。

そのため、たとえば裁判所の遺産分割調停では、代償分割をする場合には代償金を支払う人の資力が十分であることを示す証拠を提出しなければならないとされています。

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