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後遺障害が残った場合の慰謝料と逸失利益

  • 文責:所長 弁護士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年4月16日

1 後遺障害の慰謝料と逸失利益とは?

交通事故に遭い、後遺障害が残ったと認定された場合、後遺障害が残ったことを理由として支払われる慰謝料が後遺障害慰謝料です。

慰謝料の種類としては入通院慰謝料もありますが、こちらは症状固定までの間、入院や通院を強いられたことに対する慰謝料であり、後遺障害慰謝料とは区別されます。

そして、後遺障害が残ると、将来にわたり労働能力の低下が残存するのが通常です。

そのような、将来にわたる労働能力の低下による収入分の減少を賠償するのが、後遺障害逸失利益です。

休業損害が治療中の収入減少を補償するのに対し、後遺障害逸失利益は、将来の収入減少を補償するものといえます。

2 後遺障害慰謝料の金額

裁判基準(公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部発行の民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準、通称「赤い本」)によれば、後遺障害等級1級~14級の等級ごとに、次のとおりの慰謝料額が定められています。

  1. 1級  2800万円
  2. 2級  2370万円
  3. 3級  1990万円
  4. 4級  1670万円
  5. 5級  1400万円
  6. 6級  1180万円
  7. 7級  1000万円
  8. 8級   830万円
  9. 9級   690万円
  10. 10級  550万円
  11. 11級  420万円
  12. 12級  290万円
  13. 13級  180万円
  14. 14級  110万円

弁護士が介入している場合、上記の裁判基準をベースとして交渉いたします。

なお、裁判を起こすわけではなく話し合いで示談する場合は、上記の金額のとおり支払われるわけではなく、1~2割減額されることが多いです。

弁護士が介入しない場合、保険会社は裁判基準よりも低額な基準である自賠責基準や任意保険基準等で金額を提示することが多いです。

3 後遺障害逸失利益の金額

後遺障害逸失利益は、基本的には、「基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」で算定します。

基礎収入額は、原則として、事故当時の現実収入額により算定します。

もっとも、現実収入額以上の収入を将来得られると認められれば、その金額が算定基礎とされることもあります。

労働能力喪失率は、自賠責保険において後遺障害等級ごとに設定されており、これにのっとって算定されることが多いです。

自賠責保険における等級ごとの労働能力喪失率は次のとおりです。

  1. 1級~3級  100%
  2. 4級      92%
  3. 5級      79%
  4. 6級      67%
  5. 7級      56%
  6. 8級      45%
  7. 9級      35%
  8. 10級     27%
  9. 11級     20%
  10. 12級     14%
  11. 13級      9%
  12. 14級      5%

労働能力喪失期間は、症状固定時から就労可能年限である67歳までとされるのが原則です。

もっとも、むちうちの場合、12級で10年前後、14級で3~5年程度に制限されることが多いです。

また、訴訟となっておらず、保険会社との話し合いの段階では、年数が多少制限されることが多くなります。

4 当法人にご相談を

このように、後遺障害が残ることで請求できる賠償金の項目が増えることになります。

しかし、弁護士が交渉しなければ、相場より低い金額でしか受け取れないということも少なくありません。

交通事故によって後遺障害が残り、弁護士をお探しの方は、一度弁護士法人心 京都法律事務所にご相談ください。

交通事故や後遺障害の案件を集中的に扱っている弁護士が、適切な賠償金の獲得に向けて尽力いたします。

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