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特別受益の持ち戻しとは

  • 文責:所長 弁護士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2025年2月26日

1 遺産分割においては特別受益が考慮される

遺産分割においては、法律上は、相続人が受けた特別受益を考慮して相続分が決められます。

相続人各自の相続分は、まず相続人の構成によって決まり、これを法定相続分といいます。

たとえば、相続人が配偶者と子ども2人であった場合には、配偶者が2分の1、子どもが4分の1ずつという法定相続分となります。

特定の相続人について、生前に贈与を受けたなどの特別受益が認められる場合には、これも考慮されて相続分が決められることになります。

このようにして決められた相続分を具体的相続分といいます。

遺産分割では、この具体的相続分をもとにして、各自の相続の内容が決められていきますので、特別受益がある場合には、これが考慮されることになります

2 特別受益の効果を「持ち戻し」と表現する

特定の相続人に特別受益が認められるとき、上記のとおり、具体的相続分が法定相続分から修正されて決められます。

たとえば、上の例で、相続財産が1憶円だとすると、法定相続分によれば、配偶者が5000万円、子どもたちが各自2500万円の権利があるということになります。

ここで、子どもの一人に1000万円の特別受益が認められるときには、全体の相続財産を1憶円から1000万円を加算した1憶1000万円であったとみなして、配偶者にはこれの2分の1に相当する5500万円、他の子どもには4分の1に相当する2750万円、この子どもには4分の1に相当する額から1000万円を差し引いた1750万円の権利があるということにします。

このように、特別受益が認められるときには、いったんその特別受益を相続財産に加算して、そのうえで、法定相続分で分けたものから特別受益の額を差し引くという処理がされますので、これが「持ち戻し」と表現されています

3 特別受益についての判断は難しい場合もある

特別受益にあたりうるのは、相続人が生前に受けた贈与などですが、生前に受けた贈与のすべてが対象になるわけでもありません。

特定の相続人に特別受益があったことの立証責任は他の相続人にあると考えられますので、仮に特別受益となりうる事実があったとしても、その立証ができないという場合もあります。

このように、特別受益についての判断は難しい場合もありますので、遺産分割においては、このようなことも考慮したうえでの進め方が重要になります

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