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遺産の使い込みが判明した場合の対処法

  • 文責:所長 弁護士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2025年2月7日

1 使い込みの内容を確認する

相続人の一部やその他の者が遺産を使い込んでいた場合、その遺産を取り戻す必要があります。

使い込みが疑われる場合には、まずは、使い込みの内容を確認しなければ取り戻しようがありませんので、その内容を確認する必要があります

使い込んでいた者が預貯金を引き出していた場合には、預貯金の引出しの内容を確認して、使い込みの内容を確認します。

預貯金の引出しの内容は、通帳の記載から確認できます。

通帳を入手できない場合には、金融機関から取引履歴を発行してもらい、それを確認するという方法があります。

ただし、この取引履歴の発行は、遡って発行できる期限の制限があるため、使い込みの内容を十分に確認できないおそれもあります。

どれだけ遡ることができるのかは、金融機関ごとに異なります。

2 遺産分割の中で考慮する

遺産を使いこんでいた者が相続人であった場合には、遺産分割の中でそのことを考慮するという対処法があります

すなわち、遺産を使い込んでいた者は、生前にその財産の贈与を受けていたもの(特別受益)と同様に扱い、他の相続財産からの取り分を減らすという対処法がありえます。

この方法で対処するためには、遺産を使い込んでいた者が、そのことや、金額などを認めていることが前提になります。

なぜなら、遺産分割協議は相続人全員が合意する必要があり、使い込みの内容や、それを考慮した遺産分割案に全員が納得しなければ、遺産分割協議ができないからです。

 

3 訴訟を提起する

使い込みの有無や内容に争いがあり、使い込んだ者がその返還に応じなかった場合には、訴訟で解決する必要があります

一般的には、遺産についての権利のある者が、使い込んだ者に対して、不法行為に基づく損害賠償請求や不当利得返還請求などとして、使い込んだ分を取り戻す訴訟を提起します。

この二つのどちらで請求をするのかは、細かな技術的な問題がありますが、弁護士が対応する場合には、より適切な方を選択して進めることになります。

遺産の使い込みが認められるためには、返還を主張する側が使い込みの事実を主張する必要があります。

預金を引き出したことを否定する場合、預金を引き出したことは認めていても、本人のために使ったと主張する場合など、さまざまなケースがあります。

それら争いのある事実について、裁判所は、裏付けとなる証拠があるかどうかを検討し、請求が認められるかを判断します。

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