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個人再生をしたことは会社に知られますか?

  • 文責:所長 弁護士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2024年2月16日

1 会社から借入れをしている場合

個人再生の手続きをしたことを会社に知られてしまうケースは、いくつか考えられます。

代表例として、まず会社からお金を借りている場合があります。

個人再生をする場合、原則として、裁判所に全ての債権者・債権額を届け出る必要があります。

そのため、会社からお金を借りている場合は、会社を債権者として届け出ることになり、会社も個人再生の手続きに関わることになります。

その結果、会社は、個人再生の事実を知ることになります。

そういった事態を避けるために、「会社にだけ、優先的に返済しておく」という方法を考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、個人再生は全債権者の公平が重視されるため、一部の債権者にだけ優先的に返済すると、最悪の場合、個人再生が認められなくなる可能性があるため、避けるべきでしょう。

もし、会社から借入れをしていて、会社に個人再生の申立てを知られたくない場合、ご親族などに、代わりに返済をしてもらうといった対策が考えられます。

2 会社に書類作成を依頼する場合

個人再生をする際は、裁判所に対し、退職金の見込み額を伝える必要があります。

そのため、会社に対して「退職金見込額証明書」を作成してもらわなければなりません。

会社に「退職金見込額証明書」の作成を依頼する際、その作成理由を正直に話してしまえば、当然ですが個人再生の件を知られてしまうことになります。

そこで、会社に説明する際は、説明方法を工夫する必要があります。

3 会社の方が官報を見た場合

個人再生を行うと、官報に掲載されます。

そのため、会社の方が官報を見ると、個人再生の件を知られてしまう可能性があります。

もっとも、普段から官報をチェックしている方は少ないので、官報から個人再生の件を知られてしまうことは稀であるといえます。

4 個人再生をする際は弁護士に相談しましょう

「会社に知られたくないから」といった理由で、会社にだけ優先的に債務を返済したり、会社からの借入れを隠して裁判所に伝えないといったことをすると、個人再生が認められない可能性があります。

そのため、個人再生をする際は、弁護士に相談しながら、法的な落とし穴を避けることが大切です。

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