交通事故紛争処理センターとは
1 交通事故分野における代表的なADR機関
交通事故紛争処理センターとは、交通事故の当事者間における損害賠償などの問題を解決することを目的に損害保険会社が中心となって設立された公益財団法人です。
交通事故紛争処理センターは、ADR(裁判外紛争解決手続)が盛んな交通事故分野における代表的なADR機関であり、通称「紛セ」等と言われています。
このセンターを利用すると、第三者である交通事故紛争処理センターから嘱託を受けた相談担当弁護士が間に入り、被害者、加害者側保険会社の主張や言い分を聞き、解決を目指す話し合いの場を設けることができます。
参考リンク:公益財団法人交通事故紛争処理センター
2 交通事故紛争処理センターの特色
交通事故紛争処理センターでは、所在地の弁護士会から推薦された弁護士が相談担当弁護士として各案件を担当します。
申立人と加害者又は保険会社等があらかじめ合意した場合を除き、原則として、申立人の住所地又は事故地に対応した本部、支部または相談室に対して申し立てをします。
申立人が代理人に委任して申し立てをする場合、代理人は弁護士である必要があります。
口頭で申し立てをすることもできますが、訴訟と同じように書類を提出して申し立てがされる方が多く、申し立てをする側も書類で申し立てをする方が便宜です。
交通事故紛争処理センターへの申し立ては、通常、訴訟と比べて解決は早いです。
1か月に1回のペースで期日が開かれ、2~3回の期日で終了します。
中には、6回程度の期日が開かれる場合もあります。
3 判断の拘束力
交通事故紛争処理センターから嘱託を受けた相談担当弁護士は、双方の意見を十分に聞いて損害賠償額の案を示し、保険会社を説得します。
保険会社はこの判断内容を尊重しなければなりませんが、双方の主張の差が大きい場合や、専門的知識を要し同センターの和解あっせんにはなじまない場合には、訴訟に移行することを申し出ることができ、同センターの判断により訴訟へ移行されることもあります。
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